かすり傷一つで無期懲役か?強盗致死傷罪の境界線と厳罰の真実

かすり傷一つで無期懲役か?強盗致死傷罪の境界線と厳罰の真実の背景について、専門知識を取りまとめてご紹介します。

実務でしばしば激しい争点となるのが「負傷の程度」と「強盗の機会」の因果関係だ。最高裁判所の判例の積み重ねによれば、被害者が強盗犯から逃げようとして転倒し擦り傷を負ったケースや、拘束された手首に皮下出血が生じた軽微な事例であっても、強盗の手段たる暴行・脅迫に起因する以上、強盗致傷罪の成立が認められてきた。

法学界では、団藤重光をはじめとする学者陣が過重結果に対する責任主義の観点から厳格な因果関係の認定を提唱してきた歴史がある。しかし近年の司法実務は、被害者の身体的安全を極限まで保護する方向へ舵を切っている。包丁を突きつけられた被害者がショックで精神疾患を発症した場合ですら、傷害結果として起訴される事案が散見されるのが実情だ。

財物の奪取に失敗した「強盗未遂」の段階であっても、相手に怪我を負わせれば未遂罪ではなく「強盗致傷罪(既遂)」となる。金銭を一円も奪えなかったとしても、被害者の指一本にでも怪我を負わせれば、最低でも6年の懲役刑が待ち構えている。この非対称性こそが、この罪名が持つ最大の法的リスクといえる。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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