ロースとヒレは何が違う?プロが明かす肉質・脂質と究極の選び方
ロースとヒレは何が違う?プロが明かす肉質・脂質と究極の選び方について見逃せない 理由を分かりやすい構成で解説いたします。
肉の個性を決定づけるのは、動物が生きていたときの「運動量」に他ならない。農林水産省が定める食肉小売品質基準や、公益社団法人日本食肉格付協会の規格においても、両部位の定義は明確に分かれている。
ロースは、胸から腰にかけて背骨の両側に沿って位置する「胸最長筋」を中心とした部位だ。歩行や姿勢維持で適度に使われるため、筋肉のキメが整い、外縁部にはしっかりとした脂肪層が乗る。牛肉であれば美しい霜降り(サシ)が網目状に入り込み、豚肉であれば赤身と脂身のコントラストが際立つ。濃厚なコクと力強い旨味の源泉は、この適度な運動負荷にある。
対照的に、ヒレは脊椎の内側にひっそりと寄り添う「大腰筋」と呼ばれる深層筋肉だ。動物が日常の動作でほとんど動かさないため、筋繊維は驚くほど細く、結合組織であるコラーゲンも極めて少ない。1頭の豚や牛から取れる量は全体のわずか数パーセント。脂肪分をほとんど蓄えず、シルクのようなキメ細かさを誇る究極の希少部位である。