タングステンの元素記号はなぜW?Tではない意外な由来と驚異の性質を徹底解説

タングステンの元素記号はなぜW?Tではない意外な由来と驚異の性質を徹底解説の真相について、専門知識を取りまとめてご紹介します。

ネット上のQ&AサイトやSNSでは、タングステンの圧倒的な硬度や比重から生まれた誤解や極端な言説が散見されます。金属材料工学の観点から、真実を検証します。

誤解1:「タングステンは地球上で最も硬いから絶対に割れない」

これは明らかな誤解です。タングステン単体や超硬合金は「引っかき傷に対する強さ(硬度)」や「圧縮に対する強さ」は金属中トップクラスですが、「脆性(ぜいせい:もろさ)」を併せ持っています。結晶構造が強固すぎる反面、塑性変形(力を逃がす粘り強さ・靭性)に乏しいため、高所からコンクリート床に落としたりハンマーで強い衝撃を与えたりすると、ガラスのようにパリンと割れる・欠ける現象(チッピング)が起こります。「傷はつかないが、衝撃にはデリケート」というのが正しい性質です。

誤解2:「金の偽物にタングステンが使われるのは毒性があるから?」

タングステンの比重(19.3g/cm³)は金の比重(19.32g/cm³)と小数点第2位までほぼ完全に一致します。このため、タングステンの表面に金メッキを施した偽造金塊(インゴット)や偽コインが国際市場で摘発される事件が後を絶ちません。しかし、タングステン自体に重篤な急性毒性はなく、むしろ有害な鉛の代替品として釣り用のシンカー(重り)や高級腕時計のケース、結婚指輪などのアクセサリー素材として安全に使用されています。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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