東日本大震災の遺体検視と安置所の真実|過酷を極めた現場記録と現在

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遺体安置所という過酷な空間において、遺族の悲嘆(グリーフ)を和らげ、人間の尊厳を取り戻すために奔走したのが納棺師や遺体復元ボランティアたちでした。

震災現場の記録を綴った手記『遺体―震災、津波の果てに』(石井光太著)や当時の納棺師たちの証言によると、安置所に運ばれた遺体は、傷口に砂が入り込み、表情が苦悶に歪んでいるケースが少なくありませんでした。納棺師たちは、湯水も満足に使えない劣悪な環境下で、濡れタオルや脱脂綿を使って丁寧に泥を拭い去り、開いた口や目を閉じ、顔色を整える「ラストメイク」を施しました。

「たとえ一言も言葉を発しないご遺体であっても、話しかけながら化粧を施した。『寒かったね』『もう大丈夫だよ』と声をかけながら整えることで、家族が対面した瞬間に『おかえり』と抱きしめられるようにしたかった」――ある納棺師が公の場で語ったこの言葉は、単なる作業を超えた深い祈りの精神を表しています。損壊が激しいご遺体に対しても、包帯や被服を工夫して遺族のトラウマを最小限に抑えようとした彼らの存在は、被災地のグリーフケアにおいて計り知れない救いとなりました。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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