体循環と肺循環のイラスト図解!心房・心室ルートと血流の完全攻略
体循環と肺循環のイラスト図解!心房・心室ルートと血流の完全攻略にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。
定期テストや資格試験の選択問題で最も多くの受験生が引っかかるトラップが、動脈血と静脈血の違いに関する言葉の定義です。「動脈の中を流れているのが動脈血であり、静脈の中を流れているのが静脈血である」という直感的な思い込みは、解剖生理学において完全に破綻しています。
血管の名前(動脈・静脈)と、血液の性状(動脈血・静脈血)は、全く異なるルールで命名されている事実を認識しなければなりません。
- 血管の名称ルール(解剖学的基準):心臓から「出ていく」血管を動脈、心臓へ「戻ってくる」血管を静脈と呼ぶ。
- 血液の性状ルール(生理学的基準):酸素を豊富に含み鮮紅色をした血液を動脈血、酸素を手放し二酸化炭素を多く含んで暗赤色になった血液を静脈血と呼ぶ。
この二つの定義を重ね合わせたとき、肺循環において決定的な逆転現象が発生します。全身から戻ってきた二酸化炭素まみれの静脈血は、右心室から肺へと向かう血管へ押し出されます。心臓から出る血管であるため名前は「肺動脈」ですが、中を流れているのは酸素が枯渇した静脈血です。
逆に、肺で新鮮な酸素を限界までチャージした動脈血は、心臓へ戻る血管を通って左心房へ向かいます。心臓へ戻る血管なので名前は「肺静脈」ですが、中を流れているのはピュアな動脈血です。この「肺動脈=静脈血」「肺静脈=動脈血」というねじれ現象こそ、循環器学習における最大の関門であり、出題者が最も好むポイントなのです。