カサゴ唐揚げを頭から骨までサクサクに揚げる秘訣と下処理術

カサゴ唐揚げを頭から骨までサクサクに揚げる秘訣と下処理術の見逃せないポイントを一挙に解説しました。

「なぜ割烹や居酒屋のカサゴ唐揚げは、太い中骨や頭の骨までカリカリと音を立てて食べられるのか」という疑問の答えは、魚体内部の水分コントロールと熱伝導の時間差にあります。カサゴの骨はカルシウムとコラーゲンで強固に形成されており、高温短時間の加熱では骨の内部に水分が残り、ゴムのような弾力としなりのある硬さが残ってしまいます。

骨組織を脆く多孔質(ポーラス状)に変化させるには、低温の油でじっくりと骨の芯から水分を気化・脱水させた後、高温の油で衣と外層を硬化させる「二度揚げ」の工程が科学的に不可欠です。

調理工程・パラメータプロの標準数値データ家庭での失敗例・比較調理科学的なメカニズム1度目の揚げ温度・時間155℃〜160℃ / 6分〜8分180℃ / 3分〜4分(急激加熱)低温でじっくり骨内部の結合水を蒸発させ、組織を乾燥・多孔質化させる。中間休止(余熱時間)バット上で3分〜5分静置休止なし(または連続揚げ)余熱を中心まで均一に行き渡らせつつ、内部から表面へにじみ出た水分を飛ばす。2度目の揚げ温度・時間180℃〜185℃ / 2分〜3分160℃〜170℃ / 長時間放置高温で表面の余分な油を排出し、衣を硬質化させてクリスピーな食感に仕上げる。隠し包丁の深さと本数中骨に達する深さで表裏2〜3本皮目に浅い切れ目のみ油の熱流を背骨と頭蓋骨の空洞へダイレクトに送り込み、芯まで熱を通す。

1度目の揚げ工程では、大きな泡が激しく立ち上ります。これは魚体の水分が水蒸気となって抜けている合図です。泡が細かくなり、パチパチという音に変わってきたら一度油から引き上げます。バットの上で数分休ませる間に、中心部の余熱で骨の内部がさらに乾燥します。仕上げに180℃以上の高温油に投入すると、衣に含まれる水分が一瞬で蒸発し、油切れの良い極めて軽快な食感が完成します。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest