強迫性障害の治し方|確認が止まらない悪循環を断つ最新治療法
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強迫性障害の治療において、世界中のエビデンスで第一選択と位置づけられているのが、認知行動療法の「曝露反応妨害法(ERP:Exposure and Response Prevention)」と、抗うつ薬を中心とした「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)による薬物療法」です。
曝露反応妨害法とは、あえて不安を引き起こす状況に身をさらし(曝露)、不安を打ち消すための強迫行為を意図的に行わずに耐える(反応妨害)という心理療法です。例えば、確認強迫であれば「鍵を1度だけカチャリと閉めたら、絶対に振り返らずに出発する」、不潔強迫であれば「ドアノブを素手で触った後、手を洗わずにそのまま30分過ごす」といった課題を設定します。
初めは強い不安と動悸に襲われますが、人間の脳には「新奇な刺激や強い情動にも、時間をかければ徐々に慣れていく」という馴化(じゅんか)のメカニズムが備わっています。行為をしなくても、30分、1時間と経過するうちに、ピークを迎えた不安は自然と下降していきます。これを繰り返し体験することで、「確認しなくても最悪の事態は起きない」「不安は放置しても自然に消える」という新たな認知が脳に定着します。
一方、症状が重く不安が強烈すぎる段階では、自力で曝露に耐えること自体が不可能です。そこで心療内科や精神科で処方されるのがSSRI(エスシタロプラム、セルトラリン、フルボキサミン、パロキセチンなど)です。SSRIは強迫性障害に対しては、うつ病治療よりも高用量を長期間(8〜12週間以上)服用することで、脳内の過敏な警報装置を鎮める効果を発揮します。薬で不安の底上げを行い、心の土台を安定させた上で曝露反応妨害法に取り組むのが、最も再発率を抑える王道の治療手順です。