世界一大きい湖カスピ海の謎|日本の国土匹敵の広さと消滅危機の真相
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現在、カスピ海周辺の現場から発信される報告は極めて深刻です。人工衛星観測データおよび沿岸観測所の記録によると、カスピ海の水位低下は現在進行形で加速しており、年間およそ7〜10cmのペースで水面が下降し続けています。
この事態は、20世紀最大の環境破壊と称された「アラル海縮小の経緯」と酷似していると各国の研究機関から警告されています。かつて世界第4位の面積(約6万8,000㎢)を誇ったアラル海は、旧ソビエト連邦時代の過度な綿花栽培向け灌漑事業によってアムダリヤ川・シルダリヤ川からの流入水が激減し、元の面積の9割以上を喪失して干上がった砂漠へと変貌しました。
カスピ海においても、流入する水量の約80%を担う大河ヴォルガ川の上流部に多数の巨大ダムや農業用取水施設が建造されています。加えて近年の気温上昇に伴う湖面蒸発量の増大が追い打ちをかけています。カザフスタン西部の港湾都市アクタウやアゼルバイジャンの首都バクーの沿岸では、「数年前まで波が打ち寄せていた桟橋が完全に干上がり、船舶が着岸できなくなった」という現場関係者の証言が相次いでいます。浅水部である北部カスピ海では漁場が消滅し、固有種であるカスピカイアザラシの生息域が奪われるなど、生態系と地域経済の双方がかつてない危機に瀕しています。