堤未果が暴くメディアが隠す日本の危機と世界的構造転換の真相
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かつてニューヨークの証券会社に勤務し、米同時多発テロを現地で体験した彼女の原点は、資本主義の極致がもたらす人間性の破壊を目撃したことにあった。格差が極限まで広がり、医療や教育、刑務所までもが利益追求の道具と化した米国の崩壊過程を描いた著書は、日本社会に強烈な衝撃を与えた。
文藝春秋や集英社をはじめとする主要メディアから放たれた数々の著作は、単なる他国の観察記録ではない。米国で実験された過酷な新自由主義政策が、周回遅れで日本へと輸入される未来を正確に言い当てていた。当時「対岸の火事」と高をくくっていた論者たちの予測を裏切り、現実の日本社会は彼女の警告通りの軌跡を辿ることになる。
非正規雇用の拡大、公立病院の統廃合、自治体機能の外部委託。かつて米国社会を疲弊させた制度改変が、いまや「改革」という美名のもとで日本列島を覆い尽くしている。過去の取材記録を読み返すとき、そこに描かれていたのは他国の悲劇ではなく、現在の日本の青写真であったことに誰もが戦慄する。