揺れる境界と誇り:在日韓国人社会のいまを追う独自ルポルタージュ
揺れる境界と誇り:在日韓国人社会のいまを追う独自ルポルタージュにまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。
かつて数十万人規模を誇った「特別永住者」の数は、時の経過とともに着実な減少傾向を辿っている。出入国在留管理庁の統計によれば、ピーク時に比べその総数は大幅に減少し、現在は25万人前後にまで推移した。この数字はコミュニティの縮小を意味するだけではない。日本国籍の取得や国際結婚の進展、世代交代に伴う法的身分の多様化が背景にある。
「祖父の世代にとって、指紋押捺の拒否や国籍保持は尊厳をかけた闘いそのものでした」と語るのは、都内のIT企業で働く30代の特別永住者男性だ。「けれど私たち第3世代・第4世代にとって、日本は生まれ育った唯一の母国であり、韓国は自らのアイデンティティを豊かにするルーツ。悲壮感ではなく、多面的な視点を持てる強みとして捉えています」。
戦後補償や法的地位をめぐる過酷な歴史の積み重ねの上に確立された特別永住者制度。それは今、単なる法的枠組みを超え、個々の生き方を選択するためのプラットフォームへと変質しつつある。