金沢最古の料亭つば甚の現在と真相|270年の歴史と評判を徹底追及
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つば甚の原点は、江戸中期の宝暦2年に加賀藩主・前田家に仕えた鍔師(つばし)の鍔屋甚兵衛が茶屋を開いたことに遡ります。刀の鍔(つば)を打つ金工としての家柄から「つば甚」の屋号が定着し、武士階級の寄り合いから文人たちの集うサロンへと発展を遂げました。
明治期に入ると、初代内閣総理大臣である伊藤博文が金沢を訪れた際の定宿兼宴席の場となり、その歴史的価値は決定的なものとなります。伊藤博文が好んだ座敷「月の間」には、彼が揮毫した「清風」の書が今も静かに掲げられており、訪れる者を近代史の息吹へと誘います。さらに横山男爵家や文豪・室生犀星など、時代を動かした数々の名士がつば甚の座敷で膝を交え、犀川の風景を愛でながら滋味深い加賀の味覚に舌鼓を打ちました。
単なる飲食店ではなく、金沢の工芸・茶道・建築様式が一体となった「生きた文化財」としての空間こそが、つば甚が競合料亭と決定的に一線を画す源泉です。