ネパール語のありがとう「ダンニャバード」使わない理由と現地の真実
ネパール語のありがとう「ダンニャバード」使わない理由と現地の真実に関する専門家の意見を丁寧に解説いたします。
インターネット上の旅行情報サイトでは、「ネパールではダンニャバードは禁句である」「言うと激怒される」といった極端な言説が散見されますが、これは明らかな過剰解説であり誤解です。
現地のネパール人も、訪れる外国人観光客がネパール語を学び、一生懸命「ダンニャバード」と言ってくれていること自体には悪意など抱きません。彼らは外国人の母国(特に英語圏の『Thank you』社会)の文化を理解しているため、喜んで「ウェルカム!」や「ケヒ チャイナ」と返答してくれます。激怒されるどころか、その努力に好感を持ってくれる人が大半です。
問題となるのは、「言うと怒られるかどうか」ではなく、「現地の人々と同じ情緒的な波長でコミュニケートできているかどうか」という質的次元です。言葉を機械的に当てはめるのではなく、状況を見極めて「ここはナマステだな」「ここはミト チャ(美味しい)と笑顔で伝える場面だな」と判断できることこそが、旅や交流における最大のInformation Gain(独自の収穫)をもたらします。
【プロの結論】おすすめできる対象・慎重になるべきシチュエーション
異文化コミュニケーションにおいて、人間心理と社会関係論の知見から導き出される「ダンニャバードの使用判断基準」は以下の通りです。
【ダンニャバードを積極的に使っても良いシチュエーション】
- ホテルをチェックアウトする際、長期滞在でお世話になった支配人やスタッフに正式なお礼を告げるとき
- 困難なトレッキングを終え、安全を確保してくれたシェルパや高所ガイドと固い握手を交わすとき
- 大学、企業、行政機関などの公の会合・スピーチで、参加者壇上から締めくくりの辞を述べるとき
- 道路で落とした重い貴重品を、見知らぬ他人が走って追いかけて届けてくれたような、想定外の大きな恩義を受けたとき
【ダンニャバードを使うのを避ける(慎重になる)べきシチュエーション】
- ホームステイ先で家族からチャイやおやつを出されたとき(→笑顔で「ミト チャ」または首を傾けて手で合図)
- 個人商店や市場で野菜や日用品を買ってお釣りを受け取るとき(→両手で受け取り、軽く「ナマステ」)
- 友人や同世代の仲間が食事をおごってくれたり、荷物を持ってくれたりしたとき(→「フンチャ」「サドゥ」などの共感詞で対応)
- タクシーやリキシャを降りるとき(→料金をきっちり手渡し、目を見てうなずくだけで十分)