トランプ大統領とローマ法王の確執と真相|激動の会談史と現在
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二人の対立が決定的となったのは、2016年2月、米大統領選の共和党予備選の最中でした。メキシコを訪問した教皇フランシスコが、帰路の専用機内記者会見でトランプ氏が掲げるメキシコ国境の壁建設計画について問われ、次のように語ったことが発端です。
「どこであれ、橋ではなく壁を築くことばかり考える人は、キリスト教徒ではありません」
この異例の言及に対し、トランプ氏は即座にサウスカロライナ州の選挙集会で猛反発。「宗教指導者が他人の信仰を疑問視するのは恥ずべきことだ」と反論し、仮にバチカンが過激派組織に攻撃された際には「トランプが大統領であればよかったと祈ることになるだろう」とまで言い放ちました。
一国の政治指導者と宗教の最高権威がここまであからさまにメディアを通じて応酬するのは近代外交史上極めて異例であり、世界中に強烈なインパクトを与えました。しかし、この衝突は単なる個人的な感情のもつれではなく、「国境の防衛と国益第一主義」を掲げるトランプ氏と、「移民・難民の保護と普遍的兄弟愛」を説く教皇フランシスコという、根本的な統治哲学の対立を浮き彫りにした瞬間でした。