足の甲の痛みに潜む「第三腓骨筋」の正体と欠損率の真相【解剖解説】

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人体には約600個以上の筋肉が存在しますが、そのすべてが全人類に均一に備わっているわけではありません。手首にある長掌筋(ちょうしょうきん)や足底にある足底筋(そくていきん)と同様に、退化傾向にある、あるいは個体差によって出現したりしなかったりする筋肉が存在します。その代表例こそが第三腓骨筋(fibularis tertius / peroneus tertius)です。

国内外の解剖学教室が発表してきた大規模な献体調査やMRI画像統計によると、第三腓骨筋がない人の割合はおおよそ5%から15%前後と報告されています。この出現頻度には人種差が認められており、コーカシアン(欧米白人種)では欠損率が5〜10%未満と比較的低く、アジア人種やアフリカ系では10〜20%近くに達するデータも存在します。つまり、日本人であっても10人に1人前後は「生まれつき第三腓骨筋を持たない」身体構造を持っている計算になります。

進化人類学の観点において、この筋肉は直立二足歩行を獲得した人類に特有の構造とされています。四足歩行から立ち上がり、不整地を効率よく歩行・疾走するために、足の外側アーチを持ち上げて足裏全体を地面に安定させる補助輪のような役割として発達したと考えられているのです。しかし、現代人の強固な足部構造においては、前脛骨筋や長趾伸筋、短腓骨筋がその機能を十分に分担できるため、第三腓骨筋が存在しなくても日常生活や運動機能において直ちに不利益を被ることはありません。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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