消防士の給料は本当に高いのか?激務の実態と年収格差を徹底検証
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報道各社の取材データや現役隊員・OBが自著や手記で明かした証言を突き合わせると、現代の消防士が置かれている精神的・肉体的な極限状態が鮮明になります。
救急逼迫と「軽症者」対応の徒労感
「1当直で20件近く救急出動し、消防署に帰還できたのは翌朝の交代直前だった。食事を食べる暇もなく、コンビニでおにぎりを買って緊急走行の合間に詰め込むのが日常茶飯事だ」――。ある政令指定都市の現役救急隊員は、自著の手記の中でこう吐露しています。
昨今の救急逼迫では、本来タクシーを呼ぶべき軽微な症状や、酒に酔っただけの理不尽な通報に対する出動が絶えません。サイレンを鳴らして現場へ急行し、怒声や罵声を浴びせられながら病院選定に何十分も電話をかけ続ける。隊員たちの精神をすり減らしているのは、命を救う過酷さそのものよりも、こうした「報われない徒労感」です。
生々しいトラウマとPTSDのリスク
もう一つの重い負担が、凄惨な現場を日常的に目撃することによる心理的ダメージです。交通事故による無残な遺体、孤独死の現場、自死現場、小児の心肺停止事案など、一般人が生涯で一度も目にしないような凄惨な光景に立ち向かわなければなりません。
「公の場や家族の前では気丈に振る舞っていても、ふとした瞬間に現場の臭気や光景がフラッシュバックする」という声は少なくありません。公務員組織特有の「男気」や「我慢強さ」を美徳とする体育会系の組織風土が根強く残る地域では、メンタルヘルスの不調を言い出せず、休職や早期退職に追い込まれる隊員が後を絶ちません。こうした健康破壊やPTSDのリスクに対する「精神的補償」が給与に含まれていないことこそが、「割に合わない」と断じられる本質です。