口の中のほくろは癌か血豆か?危険な見分け方と受診目安を専門解説

口の中のほくろは癌か血豆か?危険な見分け方と受診目安を専門解説についての真相をお届けします。

ネット上の情報空間には、読者の恐怖心を煽る誤った見解が散見されます。その最たるものが「口の中にできた黒い点=口腔がんの兆候」という極端な短絡化です。取材に応じた大学病院の口腔外科指導医は、次のように語っています。

「粘膜の黒色変化で来院される患者さんのうち、実際に悪性腫瘍と確定診断されるのはごく一握りです。非常に多いのが、過去の歯科治療による金属の迷入、いわゆるアマルガムタトゥー(アマルガム沈着)です。昔の保険治療で多用された水銀合金の削り粉が、抜歯窩や歯周ポケットの微小な傷口から組織内に潜り込み、数年から十数年かけて酸化して黒銀色のシミを作ります」

このアマルガム沈着は、一度組織内に定着すると自然に消えることはありませんが、悪性化することは医学的にあり得ません。周囲の歯に古い金属冠やインレーがないか、デンタルエックス線撮影で該当部位に不透過像(白く映る影)がないかを確認することで、容易に識別が可能です。

一方で、警戒を怠ってはならないのが病変の「発生部位」です。頬の内側の黒いできものは、咀嚼時に誤って噛んでしまう咬傷(こうしょう)による血豆が圧倒的多数を占めます。しかし、舌の側縁部や裏側、上あご(口蓋部)の黒色病変には別格の注意が必要です。特に舌縁部は機械的刺激を受けやすく舌がんの好発部位であり、上あごは口腔悪性黒色腫の約半数が集中するゾーンです。舌や口蓋に生じた色調の乱れを「ただの口内炎や血豆」と安易に自己判断することは、決定的な治療遅延を招くリスクを孕んでいます。

清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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