千日回峰行でトイレはどうする?断食断水の堂入りと排泄の全真相
千日回峰行でトイレはどうする?断食断水の堂入りと排泄の全真相について押さえておきたい 事実を分かりやすく解説いたします。
堂入り以外の通常巡礼期におけるトイレ事情も、民間人の登山とは根本的に異なります。千日回峰行者は深夜1時〜2時に起き出し、提灯の明かりだけを頼りに毎日30キロから、後半の「京都大廻り」では最大84キロの道のりを歩き続けます。
山中巡礼における排泄の原則は、出発前の徹底した体調管理にあります。行者の食事は「1日1〜2食のうどんや豆腐、おにぎり」といった消化吸収が極めて早く、老廃物が残りにくい精進の粗食です。行者たちは出発直前に必ず排泄を済ませ、歩行中に便意を催さないよう身体のリズムを厳格に調律します。
万が一、山中で尿意を催した場合は、神仏が宿る霊木の根元や聖域を避け、作法に則って慎重に用を足します。この巡礼時に行者が常に身につけている「持ち物・装備」には、以下の道具が含まれています。
- 死出紐(しでのひも):首を吊るための麻紐。行を途中で続けられなくなった際に自決するためのもの。
- 降魔の剣(短刀):同じく途中で断念せざるを得ない場合に自ら腹を切るための真剣。
- 三途の川の渡し賃:六文銭(冥銭)を行衣の懐中に忍ばせている。
- 蓮華笠と草鞋:頭にかぶる笠と、1日に何足も履き潰す特製の藁草鞋。
「途中で腹を下したからといって行を中断することは許されない」。足の骨折や急病であっても、歩けなくなれば命を絶つ覚悟が求められるため、行者にとって排泄のコントロールはまさに文字通りの生命線となります。