桑の実の毒性は本当か?幻覚の噂や未熟な実の危険性と安全な食べ方
桑の実の毒性は本当か?幻覚の噂や未熟な実の危険性と安全な食べ方についての真相を徹底解説します。
桑の実(英名:マルベリー)はクワ科クワ属(Morus)の落葉高木に実る集合果です。結論から言えば、スーパーや直売所に並ぶような黒紫色に完熟したマルベリー毒性有無を問われれば「無毒」であり、古今東西で食用や漢方生薬(桑椹:そうじん)として重用されてきた歴史があります。ではなぜ、現代において毒性を警戒する噂がこれほどまでに拡散したのでしょうか。
疑念の発端は、植物学的に指摘されている桑の実未熟な実の毒性にあります。桑の実は緑色から赤色、そして黒紫色へと熟していきますが、緑色の未熟果や枝、葉の基部には乳白色の樹液が含まれています。この樹液や未熟果には、昆虫や外敵から身を守るためのアルカロイド類や刺激性配糖体、ラテックス成分が含まれており、未熟なまま口にすると強い渋みとともに、消化器官を激しく刺激します。
さらに、検索エンジンでしばしば関連語として浮上する桑の実幻覚作用の真相についても、学術的な記録とネット上の誇張が混在しています。北米の自生種であるアメリカヤマグワ(Morus rubra)や一部の品種において、未熟な青い果実や大量の樹液を摂取した際に「胃痙攣や激しい吐気とともに、興奮状態や知覚異常(幻覚)に似た中枢神経症状を引き起こした」という野外中毒事例が、米国の生薬・毒物データベース等に記録されています。これがインターネットの掲示板やSNSを介して伝言ゲームのように広まる過程で、「桑の実を食べると幻覚を見る」というセンセーショナルな言説へと肥大化したのが真相です。完熟した果実にはそうした幻覚成分は一切含まれていません。