なぜ咲く前に自家受粉?エンドウの花のつくりと驚きの仕組みを徹底解説

なぜ咲く前に自家受粉?エンドウの花のつくりと驚きの仕組みを徹底解説の重要なポイントについて、最新情報を詳しくお届けします。

植物が花を咲かせる最大の目的は、花粉を運んでもらい受粉して種子を残すことです。多くの被子植物は、花びらを大きく広げて鮮やかな色を見せたり、甘い蜜や香りを放ったりして、ハチやチョウなどの昆虫を引き寄せます。しかし、エンドウの生存戦略はそれらの植物とは根本から異なっています。

エンドウは、花が美しく開花した時点ですでに受粉・受精をほぼ完了させています。まだ固いつぼみの段階で、内側にあるおしべの葯(やく)が破れて花粉を放出し、同じ花の中にあるめしべの柱頭へと確実に付着させるのです。このように、花冠が開かない状態、あるいは開く前に自家受粉を完了させる現象を植物学では「閉花受粉(へいかじゅふん)」と呼びます。

なぜエンドウはこのような受粉様式を選んだのでしょうか。そこには極めて合理的かつ冷徹な進化の計算が存在します。

第一に、天候や媒介昆虫の有無に一切左右されない点です。春先の不安定な気候で雨が降り続こうと、受粉を媒介するハチが飛んでいなかろうと、エンドウは100%に近い確率で自ら結実できます。花蜜を大量に生成したり、昆虫を惹きつけるための過剰なエネルギーを消費したりする必要もありません。

第二に、自らの優れた遺伝的純系を確実に後代へ受け継ぐためです。他の個体の花粉が風や虫によって持ち込まれる「他家受粉」を防ぐことで、環境に適応した形質を壊すことなく、次世代へ確実にコピーを残すことができます。花が開くのは受粉のためではなく、受粉後に大きく育ち始める子房(若いさや)を保護しつつ、光合成を行う組織としての役割を果たしているに過ぎません。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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