桃太郎「鬼の復讐」と謎の海写真|Sns拡散の真相と裏設定を追う
話題沸騰中の 桃太郎「鬼の復讐」と謎の海写真|Sns拡散の真相と裏設定を追うについて、詳しいまとめをご紹介しています。
写真そのものは近年の創作物ですが、「桃太郎に討伐された鬼が復讐を誓う」という筋立て自体は、決してネット上の悪ふざけからポッと出た思いつきではありません。そこには100年以上にわたる文学的・広告的な系譜が存在します。
文豪・芥川龍之介が1924年(大正13年)に発表したパロディ短編『桃太郎』は、まさにこの都市伝説の直接的なルーツといえます。芥川版において、鬼ヶ島の鬼たちは自然を愛し、平和に暮らす種族として描かれます。そこへ欲深き桃太郎が犬・猿・雉を従えて一方的に侵略し、財宝を強奪して鬼たちを虐殺します。
物語のラスト、桃太郎の支配から逃げ延びた若き鬼たちは、牢獄に囚われた仲間を救うため、そして奪われた故郷を取り戻すために立ち上がります。彼らは「鬼ヶ島の海岸に立ち、海を見つめながら復讐の狼煙を上げる機会をうかがう」という描写で結ばれているのです。これこそが、100年の時を超えて掘り起こされた「桃太郎 鬼の復讐 元ネタ」の決定打です。
さらに2013年、日本新聞協会の広告賞を受賞した山崎博司氏らの作品「ボクのお父さんは、桃太郎というやつに殺されました。」というコピーが、泣きじゃくる小鬼のイラストとともに全国を揺るがしました。これにより、「鬼にも家族があり、愛する生活があった」という視点が日本人の共通認識として定着しました。今回の海の写真は、芥川の残した文学的プロットと2010年代の広告的インパクトが、SNSの拡散力によって再点火した姿といえます。