日本の平均年収はおかしい?公表値と手取りの乖離と中央値の実態
日本の平均年収はおかしい?公表値と手取りの乖離と中央値の実態について知っておくべき 注意点を厳選して解説いたします。
日本人の給料を語る上で欠かせないもう一つの視点が、所得階層ごとの分布比率です。国税庁の統計資料を精査すると、給与所得者のボリュームゾーンは「年収300万円超400万円以下」の層(全体の約17%)であり、次いで「年収200万円超300万円以下」(約14%〜15%)が続きます。つまり、年収400万円以下の労働者が全体の半数近くを占めているのが冷酷な真実です。
それにもかかわらず、なぜ世間には「みんなもっと貰っている」という錯覚が定着してしまうのでしょうか。その一因は、経済メディアが好んで取り上げる上場企業の平均年収ランキングにあります。総合商社、外資系コンサルティングファーム、メガバンク、大手ディベロッパーなどの平均年収が1,200万〜1,600万円台として華々しく報道されることで、社会全体の給与基準が心理的に吊り上げられてしまうのです。
さらに見過ごせないのが、労働市場の約4割を占める正社員と非正規雇用の格差です。正社員の平均年収が約520万〜530万円であるのに対し、パート・アルバイト・派遣などの非正規雇用では約200万円強と、2倍以上の開きが固定化しています。女性労働者や若年層の多くが非正規雇用に集中している構造的要因も加わり、富裕層と大企業正社員の数字が、底辺で支える膨大な労働者の実態を覆い隠してしまっているのが現代の縮図です。