胸がへこんでいる原因は病気?漏斗胸の症状・最新治療法と自力改善の真実
胸がへこんでいる原因は病気?漏斗胸の症状・最新治療法と自力改善の真実の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
胸の中央、左右の肋骨をつなぐ平らな骨を「胸骨」と呼びます。この胸骨および肋軟骨が内側(背骨側)に向かって陥没している状態を、医学用語で漏斗胸(胸骨陥凹症)と定義します。発生頻度はおよそ1,000人に1人〜4人程度と推計されており、男女比ではおよそ3〜4対1で男性に多くみられますが、女性の症例も決して珍しくありません。
漏斗胸が生じる直接的な原因は、肋骨と胸骨をつなぐ「肋軟骨」が成長期において他の骨組織よりも過剰に伸びてしまい、収まりきらなくなった胸骨を内側へと押し下げてしまうことにあります。なぜ肋軟骨が異常発育するのか、その完全なメカニズムは現在も研究段階にありますが、先天的な骨・結合組織の発達バランスの不均衡が深く関与していると考えられています。
患者やその家族から頻繁に寄せられるのが「遺伝するのか」という疑問です。日本小児外科学会等の臨床報告によると、漏斗胸患者の約30%〜40%に家族内発生(血縁者に同様の胸郭形状を持つ人がいる)が認められます。ただし、メンデルの法則のように単純遺伝するものではなく、複数の遺伝要因と環境要因が複雑に絡み合う「多因子遺伝」と捉えるのが医学的な見解です。マルファン症候群などの結合組織疾患に伴う症状として現れることもあります。
また、乳幼児期における「赤ちゃんの胸のへこみ」については慎重な鑑別が求められます。乳児は胸郭が非常に柔らかいため、泣いた際や気道が狭くなった際に胸の中央や肋骨の下がペコペコとへこむ「陥没呼吸」を起こすことがあります。これは先天的な漏斗胸によるものだけでなく、気管支炎やアデノイド肥大などの上気道閉塞が引き起こしている一時的な呼吸不全サインである場合もあるため、呼吸の荒さや顔色の変化を伴う場合は速やかな小児科受診が不可欠です。