Jr東海のドン葛西敬之の生涯と真実|政界を動かした巨頭の功罪
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1980年代半ば、約37兆円もの天文学的借金を抱えて破綻寸前だった国鉄の再建を巡り、中曽根康弘内閣の下で立ち上がったのが、後に「国鉄改革3人組」と呼ばれた松田昌士氏(JR東日本元社長・会長)、井手正敬氏(JR西日本元社長・会長)、そして葛西敬之氏の3名でした。
当時、現場を牛耳っていた国労(国鉄労働組合)などの過激な労働運動に抗し、経営陣の守旧派を退けて「分割民営化」という未曾有の外科手術を断行した経緯は、日本経済史の決定的な分水嶺となりました。葛西氏は当時、職員局次長として労務対策の最前線に立ち、毅然とした態度で労働組合改革を推進。この時の修羅場をくぐり抜けた経験が、その後の冷徹かつ揺るぎないリーダーシップの原点となりました。
ところが、民営化という共通の悲願を達成した後、3人の道は激しく分かれます。協調路線と多角化経営を重視したJR東日本の松田氏、合理化とワンマン体制を敷いたJR西日本の井手氏に対し、葛西氏は東海道新幹線の専業純化と自前主義を貫きました。やがて政治思想や経営方針の対立から関係は急速に冷却化し、かつての同志たちは激しい確執の末に絶縁状態へと至ったと伝えられています。