数学記述の「与式」は減点対象?正しい書き方と合否を分ける答案作法
数学記述の「与式」は減点対象?正しい書き方と合否を分ける答案作法について見逃せない 注意点を分かりやすく解説いたします。
「与式と書いたら減点された」という受験生の声を調査すると、その大半は「与式」という単語そのものではなく、「与式=」という等号の使い方に致命的な論理エラーが含まれていることが判明しています。
数学の式には大きく分けて「対象となる値・多項式そのもの(代数式)」と「2つの式の関係性を示す主張(等式・方程式・不等式)」の2種類が存在します。減点される典型例は、方程式や不等式に対して「与式=」と書いてしまうパターンです。
例えば、次のような問題があったとします。
【例題】方程式 $x^2 - 5x + 6 = 0$ を解け。
【危険なNG解答】
与式 $= (x - 2)(x - 3) = 0$
$\therefore x = 2, 3$
この記述がなぜ大学入試の減点基準に引っかかるのか。それは、「$x^2 - 5x + 6 = 0$(方程式という命題)」と「$(x - 2)(x - 3) = 0$」を「=」で結んでしまっているからです。「式=0」という全体の関係性に対し、さらに先頭に「=」を付けると、「イコール記号が横に2重で並ぶ」という論理破綻(文法崩壊)を起こします。
方程式や不等式は値ではなく「条件(命題)」です。「命題」に対してイコールを繋ぐことはできません。この場合、正しい記述は「与式より、$(x - 2)(x - 3) = 0$」とするか、問題の式を「$x^2 - 5x + 6 = 0 \quad \cdots ①$」と番号付けして「①より」と論理を展開するのが数学的に正確な答案作法です。