又吉直樹『火花』の結末と芥川賞の真相|名言とモデル芸人徹底解剖
又吉直樹『火花』の結末と芥川賞の真相|名言とモデル芸人徹底解剖を詳しくリサーチ! 知っておきたい トピックの裏側を分かりやすく展開します。
読者の間で長年熱心に議論されてきたのが、「破天荒な神谷のモデルは誰なのか」という点です。又吉直樹自身が数々のインタビューで語っている通り、神谷は特定の単一人物ではなく、又吉が下積み時代に出会った複数の愛すべき先輩芸人たちのエッセンスを融合させた存在です。
その中でも特に色濃く反映されていると言われるのが、元「ビッキーズ」の木部信彦氏や、作家・芸人としてカルト的人気を誇る「後藤ひろひと」氏、さらには吉本興業の先輩芸人たちの奇行や美学です。自腹を切って後輩に奢り続け、どんなに貧窮しても面白さの基準を曲げない神谷の佇まいは、昭和・平成の大阪お笑い界に実在した「芸人長屋のロマン」そのものと言えます。
対する主人公・徳永は、紛れもなく又吉直樹自身の内省的な視線が色濃く投影されています。太宰治を愛読し、吉祥寺の安アパートで鬱屈とした夜を過ごしながら、相方(ピース・綾部祐二)とともに世に出ていこうともがいた実体験が、徳永の独白に圧倒的なリアリティと説得力を与えています。