イオンモール土岐に映画館がない理由とは?最新の増床予定と近隣シネコン比較
イオンモール土岐に映画館がない理由とは?最新の増床予定と近隣シネコン比較とは一体何なのか? 主要なファクトを整理してお届けします。
敷地面積約203,000㎡という圧倒的なスケールで開業したイオンモール土岐。「イオンモール=イオンシネマ併設」というイメージを持つ方にとって、映画館が存在しない点は最大の想定外と言えます。経済合理性と商圏分析の観点から調査すると、そこには明確な3つの構造的理由が浮かび上がってきます。
第1の理由は、至近距離に位置する既存シネコンとの競合回避(カニバリゼーション防止)です。イオンモール土岐から西へ直線距離で約7km、車で15分ほどの場所には「多治見コロナシネマワールド」が長年営業を続けています。東濃西部(多治見・土岐・瑞浪)の限られた人口規模(約20万人規模)の中で同一商圏内に複数の大型シネコンが乱立すれば、共倒れになるリスクが極めて高いと判断された経緯があります。
第2の理由は、「滞在・体験型エンタメ(コト消費)」への明確な舵切りです。イオンモール土岐は従来の屋内型シネコンに投資する代わりに、広大な屋外スペースを活用した本格サーキット「Amazing Kart ISK」や大型芝生エリア、隣接する温浴施設「土岐よりみち温泉」との連携など、他のモールにはないアクティビティ特化型のフロア構成を採用しました。映画館という閉鎖空間ではなく、開放的なアウトドア体験をフックに来訪者を呼び込む設計思想が貫かれています。
第3の理由は、地方都市における映画興行ビジネスの採算ラインと配信サービスの普及です。シネコンの建設・維持には莫大な設備投資(防音・耐荷重設計、映写音響システムなど)が必要です。動画配信サービス(VOD)の定着により地方シネコンの動員数が全国的に選別されるなか、初期投資の回収リスクを慎重に見極めた結果、シネコン導入が見送られたと分析されています。