うつ病の接し方で絶対Ngな禁句とは?追い詰める理由と正しい声かけ

うつ病の接し方で絶対Ngな禁句とは?追い詰める理由と正しい声かけの背景について、分かりやすい解説を詳しくお届けします。

うつ病の当事者に対して「絶対に言ってはいけない言葉」の筆頭に挙げられるのが、「頑張って」「もっと気合を入れて乗り越えよう」というストレートな激励です。励ます側からすれば、純粋な応援や愛情表現のつもりかもしれません。しかし、当事者の脳内では全く異なる破壊的なメッセージとして処理されています。

精神医学的な観点から見れば、うつ病は「心の弱さ」や「甘え」ではなく、過剰なストレスによってセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が枯渇し、脳の機能不全を起こしている身体的な疾患です。車に例えるなら、「ガソリンが完全に底をつき、エンジンが焼き付いて白煙を上げている状態」に該当します。

ガス欠で動けない車に対して「もっとアクセルを踏み込め」と命じても走れるはずがありません。それどころか、すでに限界を超えて走り続け、心身をすり減らした結果として倒れた人に対し「頑張れ」と告げることは、次のような致命的な心理的打撃を与えます。

「私はすでに限界まで頑張ったのに、周囲からは『まだ努力が足りない』と見なされている」
「みんなができる当たり前のことすらできない自分は、生きている価値がない」

公の場で闘病の経験を明かしたある当事者は、自身の手記で次のように当時の絶望を赤裸々に告白しています。

「朝、金縛りにあったように体が鉛のように重く、ベッドから起き上がれない。そんな時に家族から『気合いで頑張って起きてごらん』と言われた瞬間、自分が取り返しのつかない重罪人になったような猛烈な罪悪感に襲われ、涙が止まらなくなりました。励まされるたびに、死への衝動が強くなっていったのです」

これが、うつ病の励まし方で逆効果になる真相です。善意の激励は、回復へ向けたエネルギーを奪い去り、本人を自責の念という底なし沼へ引きずり込むトリガーとなってしまいます。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest