高張性脱水とは?低張性との違いや危険な初期症状・輸液治療をプロが解説
高張性脱水とは?低張性との違いや危険な初期症状・輸液治療をプロが解説の詳細について、最新情報を詳しくお届けします。
Q1:高張性脱水と低張性脱水は、外見やバイタルサインだけで見分けることができますか?
A1:外見だけで100%鑑別することは困難ですが、重要な手がかりがあります。低張性脱水は血管内の水分が減るため「立ちくらみ、急激な血圧低下、手足の冷感、脈拍の増加」といったショック兆候が早期に出ます。一方、高張性脱水は初期に血圧が保たれやすく、「激しい喉の渇き、体温の上昇、不穏やせん妄などの言動異常」が先行します。ただし、最終的な確定診断には血液検査による血清ナトリウム濃度(145mEq/L以上かどうか)の確認が不可欠です。
Q2:高齢の家族が微熱を出しています。経口補水液を飲ませたほうが良いでしょうか?
A2:下痢や激しい嘔吐を伴わない発熱の場合、水分だけが不感蒸泄として失われる高張性脱水に傾いている可能性が高くなります。この場合、まずは常温の真水や薄めの麦茶を少量ずつ飲ませるのが安全です。塩分濃度の高い経口補水液を過剰に与えると高ナトリウム血症を助長する恐れがあります。食事も水分も全く摂れずぐったりしている場合は、自己判断で飲ませ続けず速やかに医療機関を受診してください。
Q3:点滴治療で「Na濃度を急激に戻してはいけない」とされるのはなぜですか?
A3:高張性脱水が長く続くと、脳細胞は縮まないように自ら浸透圧物質を溜め込んでバランスを取ります。その状態で急に薄い点滴を大量に入れると、血液の浸透圧が一気に下がり、水分が浸透圧の高い脳細胞内に猛烈な勢いで吸い込まれます。その結果、脳がパンパンに腫れ上がる「急性脳浮腫」を起こし、脳ヘルニアや不可逆的な障害、死に至る危険があるためです。安全のために24時間以上かけて極めてゆっくり水分を戻します。