ムカデに刺されたら冷やすな!43度のお湯と病院へ行く危険基準
今注目を集めている ムカデに刺されたら冷やすな!43度のお湯と病院へ行く危険基準について、多角的な視点をご紹介しています。
咬まれた瞬間にまるで焼き火箸を押し当てられたような苦悶が生じる背景には、ムカデ毒の成分と激痛が続く経緯が深く関わっています。トビズムカデなどが保有する毒液は単一の毒素ではなく、複数の薬理活性物質が組み合わさった極めて凶悪な「生体毒カクテル」です。
毒液には、神経を直接刺激して瞬間的な激痛を誘発するセロトニンやヒスタミンが高濃度で含まれています。これに加え、細胞膜を破壊して毛細血管の透過性を急激に亢進させるプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)や、生体組織の間質結合を破壊して毒素の体内拡散を強制的に加速させるヒアルロニダーゼが大量に配合されています。この「痛みの直撃弾」と「組織破壊酵素の同時散布」のコンビネーションこそが、数時間から半日にわたって耐え難い拍動痛が持続する医学的原因です。
さらに多くの患者を悩ませるのが、激痛が引いた後に訪れるムカデに刺された跡の腫れとしこりです。咬傷から24〜48時間後、体内の免疫細胞(好酸球やマクロファージ)が破壊された皮下組織や残留抗原を処理するために患部へ集結し、激しいアレルギー性肉芽腫反応を起こします。これにより患部が赤紫色に大きく硬直化し、直径数センチに及ぶ硬い「しこり」が形成されます。重症例ではこの炎症反応が2週間から1ヶ月以上持続し、掻き壊しによる二次的な細菌感染(蜂窩織炎=ほうかしきえん)を併発する事例も臨床現場で頻繁に報告されています。