右手のひらのほくろは福つかみ?病気のサイン?手相と見分け方を徹底検証
右手のひらのほくろは福つかみ?病気のサイン?手相と見分け方を徹底検証について押さえておきたい ポイントを厳選して解説いたします。
運勢の解釈に胸を躍らせる前に、絶対に怠ってはならないのが病理学的なリスク検証です。皮膚科医が最も警戒する皮膚悪性腫瘍「悪性黒色腫(メラノーマ)」は、色素を作るメラノサイトががん化する疾患であり、進行が極めて早く、早期にリンパ節や他臓器へ転移しやすい特性を持っています。
手のひらに現れたほくろが良性腫瘍なのか、それとも悪性黒色腫の初期病変なのかをスクリーニングするために、世界的な医療現場で用いられているのが「ABCDEルール」と呼ばれる臨床診断基準です。
国際基準「ABCDEルール」による自己検証
- A(Asymmetry:左右非対称性):中心に仮想の線を引いたとき、半分と残り半分が同じ形をしていない。良性のほくろはほぼ対称的な円形や楕円形になりますが、メラノーマは不規則でいびつな形に広がります。
- B(Border irregularity:境界の不正):外縁がギザギザしていたり、ノコギリの歯のようになっていたり、周囲の皮膚との境目がボヤけて滲み出している状態は警戒が必要です。
- C(Color variegation:色調の不均一):均一な単色ではなく、濃い黒、薄い茶色、赤み、さらには白っぽい抜けなどが1つの病変の中にまだらに混在している場合、悪性の疑いが濃くなります。
- D(Diameter:病変の直径):大きさが直径6ミリ以上(鉛筆の消しゴムのサイズが目安)に達しているものは、皮膚生検を含めた精密検査の強い適応となります。
- E(Evolving:病変の変化・進化):数週間から数ヶ月という短いスパンで、急速にサイズが拡大している、形が変わってきた、急激に盛り上がってきた、あるいはかゆみ・痛み・出血・潰瘍形成を伴うようになった場合は、直ちに専門医の診断が必要です。
皮膚科で行われる「ダーモスコピー検査」とは
肉眼だけでメラノーマの初期病変を100%鑑別することは、熟練の皮膚科医であっても困難です。そこで決定的な威力を発揮するのが「ダーモスコピー検査」です。
ダーモスコピーとは、皮膚表面にゼリーを塗り、特殊な偏光フィルターを備えた高倍率の拡大鏡を当てる検査手法です。皮膚の角質層を透視して表皮から真皮浅層の色素分布パターンを直接観察します。所要時間はわずか数分で、痛みや出血は一切ありません。
手のひらや足の裏には、指紋を形成する「皮丘(小高い山)」と「皮溝(溝)」が存在します。ダーモスコピーで見ると、良性のほくろは溝の部分に沿って色素が沈着する「皮溝平行パターン(Parallel furrow pattern)」を示します。これに対し、初期メラノーマは山の部分に色素が無秩序に広がる「皮丘平行パターン(Parallel ridge pattern)」を呈します。このパターン識別を行うことで、切開手術を伴う病理組織検査に進むべきか否かを極めて高精度にトリアージすることが可能です。