プロスポーツ選手の光と影|競技別年収ランキングと引退後の過酷な現実
プロスポーツ選手の光と影|競技別年収ランキングと引退後の過酷な現実にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。
年俸数千万円という金額を聞くと、一般には莫大な貯蓄ができるように思われがちですが、ここにプロスポーツ選手特有の「税金の罠」が立ちはだかります。日本のプロアスリートの多くは球団やクラブと雇用関係を結んでいるわけではなく、個人事業主としての業務委託契約を締結しています。
この契約形態がもたらす最大の洗礼が、累進課税制度による超高額な所得税と住民税です。課税所得が4,000万円を超えた場合、所得税率は最高税率の45%、さらに一律10%の住民税が加算されるため、最高実効税率は約55%に達します。加えて、個人事業主であるため事業税や消費税の納税義務が発生するほか、代理人(エージェント)への手数料(一般に年俸の3〜5%)や用具代、自主トレ費用なども自己負担となります。結果として、年俸5,000万円で契約しても、手元に残る可処分所得は2,000万円台前半にまで激減します。
さらに恐ろしいのが「翌年課税」のタイムラグです。前年に好成績を収めて年俸が跳ね上がった選手が、翌年に大怪我や不調で戦力外通告を受けたとします。すると、収入がほぼゼロになった引退初年度に、前年の超高額な年俸を基準に計算された数百万円から数千万円単位の住民税の納付書が自宅に届くことになります。この税制の仕組みを理解せず、現役時代に豪遊して貯蓄を怠った選手が、引退直後に自己破産や債務整理へ追い込まれるケースは、税理士や関係者の間では周知の事実です。