不法原因給付とは?違法契約で払った金が戻らない民法708条の罠と例外

不法原因給付とは?違法契約で払った金が戻らない民法708条の罠と例外に関する基本知識をわかりやすくまとめました。詳細を読もうことができます。

民法708条の文脈において、すべての場合で給付者の返還請求を切り捨てると、かえって著しく正義に反する結果を招くケースが生じます。これに対処するため、条文の「ただし書」と判例法理による重大な例外枠組みが形成されてきました。

民法708条ただし書には、「不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない」と明記されています。例えば、相手に騙されたり強迫されたりして違法な契約を結ばされた場合、給付者に非はなく、受益者(受け取った側)のみに悪質性があるため、返還請求が全面的に認められます。

さらに裁判実務を大きく進化させたのが、最高裁判所が確立した「不法性の比較」という法理です。給付者側にも多少の落ち度や不法性があったとしても、受け取った側の違法性・反社会性が圧倒的に強い場合には、708条本文の適用を排除して返還請求を認める判断が下されています。

この転換点が如実に現れたのが闇金問題をめぐる最高裁判例(平成20年6月10日判決)です。出資法に違反する著しい高金利で貸し付けを行う闇金融の行為は、それ自体が刑事罰の対象となる反社会的組織犯罪です。最高裁は「闇金業者が貸し付けた元本は不法原因給付にあたり、借主は元本すら返還する義務を負わない」と判示し、同時に「借主側が返還した元本や利息は、不法行為に基づく損害賠償として業者に全額請求できる」との確定判断を示しました。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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