インクラインサイドレイズの真実|僧帽筋の関与を防ぎ肩幅を広げる技術
インクラインサイドレイズの真実|僧帽筋の関与を防ぎ肩幅を広げる技術の概要と注目ポイントを一挙に解説しました。
通常の立位で行うスタンディング・ダンベルサイドレイズと、ベンチを用いるインクラインサイドレイズは、狙う部位こそ同じ三角筋中部ですが、筋肉にかかる「負荷の位相(モーメントアームのピーク)」が正反対です。筋肥大において異なる刺激を組み合わせる上でも、両者の決定的な差異を理解しておく必要があります。
立位のサイドレイズでは、腕を下ろした脱力ポジションでダンベルが真下を向くため、モーメントアームはゼロになり負荷は一切かかりません。負荷が最大化するのは腕が水平に上がったトップポジションです。対してインクラインサイドレイズでは、体が横に傾いているため、スタートした直後の初動〜中盤(30度〜60度付近)で最大負荷がかかります。つまり、筋肉が引き伸ばされた状態で大きな張力がかかる肩のストレッチ種目として極めて優秀な性質を持っています。
ダンベルサイドレイズとの違いを理解した上で重要になるのが、アジャスタブルベンチの傾斜設定です。角度を垂直に近づけすぎると通常の立位と変わらなくなり、逆に倒しすぎて水平(フラット)にするとボトムでの関節負荷が過剰になり肩峰下インピンジメントのリスクが高まります。研究機関や現場のバイオメカニクス検証においても、インクラインサイドレイズの角度は30度から45度の範囲に設定することが、筋活動量と関節安全性のバランスにおいて最も合理的であると結論づけられています。