ドライソケットの治し方完全ガイド|抜歯後の激痛を止める対処法
ドライソケットの治し方完全ガイド|抜歯後の激痛を止める対処法の要点を分かりやすくまとめてご紹介します。
親知らずなどの抜歯を行った後、通常であれば2〜3日を境に痛みや腫れは徐々に軽快へ向かいます。しかし、抜歯後3日目以降になって急速に痛みが激化し、頭痛や耳の奥、首筋にまで放散する激痛へと悪化した場合、その原因の大半はドライソケットにあります。日本口腔外科学会の臨床指標や疫学データによると、一般的な抜歯での発症率は約2〜5%程度ですが、下顎の骨深くに埋まっていた水平埋伏智歯の抜歯においては、骨の切削範囲が広いため発症率が15〜20%近くに跳ね上がるケースも報告されています。
この激痛の真相は、傷口を保護するはずの「血餅(けっぺい)」の早期脱落・形成不全にあります。通常、歯を抜いた後の穴(抜歯窩)には血液がゼリー状に固まった血餅が満ち、これが皮膚でいう「かさぶた」の役割を果たして神経や骨を細菌感染から守ります。しかし、度重なる強いうがい、患部を舌や指で触る刺激、ストローでの強い吸引圧、あるいは喫煙による毛細血管収縮などが引き金となり、血餅が流れ落ちてしまいます。その結果、神経が通った生の顎骨が口腔内の唾液や空気に晒される抜歯窩の骨露出が完成します。
鏡で口の中を覗き込んだ際、抜歯窩の底が白や灰色に見える現象は、食べかすが詰まっているわけではありません。露出した歯槽骨そのものが白く透けて見えている、あるいは壊死した組織が付着している状態です。さらに、骨の露出部に口腔内細菌が繁殖して炎症(限局性歯槽骨炎)を起こすことで、組織が腐敗・変性し、ドライソケット特有の腐敗臭と口臭の原因を生み出します。患者の多くが「口の中に腐ったような苦い味が広がる」「吐き気を催すような異臭がする」と訴えるのは、この組織融解と細菌性代謝物質の発生によるものです。