嫡出子とは?非嫡出子との違いや相続分・民法改正の盲点を徹底解説

嫡出子とは?非嫡出子との違いや相続分・民法改正の盲点を徹底解説とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を簡潔に解説します。

長年にわたり日本の家族法における最大の火種となってきたのが、民法772条が規定する「嫡出推定」と、それに起因する「300日問題」でした。従来の法律では、以下のような厳格な推定期間が定められていました。

  • 婚姻成立の日から200日を経過した後に生まれた子:婚姻中に懐胎したものと推定(現夫の子)
  • 婚姻解消(離婚)の日から300日以内に生まれた子:婚姻中に懐胎したものと推定(前夫の子)

この「離婚後300日以内」の規定が、深刻な悲劇を生んできました。夫からのDVやモラハラを理由に別居し、事実上の婚姻破綻後に別のパートナーとの子どもを妊娠・出産した場合でも、法的には「前夫の子」として推定されてしまうためです。前夫の戸籍に入れたくない、あるいはDV夫に出産の事実を知られたくない母親が出生届と戸籍謄本の手続きを忌避し、子どもが無戸籍になってしまう事例が全国で多発しました。法務省の調査データによれば、無戸籍者の約7割がこの300日問題に起因していた事実が浮き彫りとなっています。

こうした構造的不条理を打破するため、国会での審議を経て成立した民法772条改正(2024年4月1日施行)により、法制度は120余年ぶりの大転換を果たしました。改正の骨子は極めて実践的です。

第一に、「女性が前婚の解消後に再婚したときは、再婚後に生まれた子は再婚後の夫の子と推定する」という例外規定が新設されました。これにより、離婚後300日以内であっても、再婚後に誕生した子どもであれば自動的に「新しい夫の嫡出子」として出生届を受理できるようになり、これに伴って女性のみに課されていた100日間の再婚禁止期間も全廃されました。

第二に、極めて革新的なのが「民法改正 嫡出否認」に伴う出訴権者の拡大です。従来の「嫡出否認の訴え」は、夫側からのみ提起が認められており、期間も出生を知った時から1年以内という極めて制限的なものでした。夫が嫌がらせで否認手続きを拒んだ場合、母や子はなす術がありませんでした。改正法では、母親および子ども本人にも「嫡出否認の訴え」を起こす権利が正式に付与され、出訴期間も「3年」へと大幅に伸長されました。血縁関係のない前夫の束縛から、母と子が司法の力で自立できる法的ルートがようやく開かれたのです。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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