なぜ北海道で熊出没が急増?市街地侵入の真相と命を守る撃退法

なぜ北海道で熊出没が急増?市街地侵入の真相と命を守る撃退法に関するポイントを詳しくまとめました。詳細な解説をチェックしましょう。

平穏な街並みに突如として巨大なヒグマが姿を現す現象は、偶然の迷い込みではありません。取材で見えてきたのは、生態系の変化と人間社会の構造変化が複雑に絡み合った3つの決定的な理由です。

第1の要因は、ヒグマ生息数の増加です。1990年の「春グマ駆除」廃止以降、保護政策の継続によって個体数は着実に回復し、北海道庁の推計では道内全域で約1万2,000頭近くまで拡大しました。山の許容量(キャリングキャパシティ)を超えた結果、若グマや力の弱い個体が縄張り争いに敗れ、未開拓の低地や都市近郊へ押し出されています。

第2の要因は、農作物への執着と味の学習です。特に酪農地帯で栽培される飼料用トウモロコシであるデントコーンは熊の格好の餌となっており、秋の栄養補給源として群を抜く高カロリーを誇ります。一度この甘みと手軽さを覚えた個体は、農地周辺から離れなくなり、収穫期が終わるとさらなる食料を求めて市街地のごみステーションや家庭菜園へとターゲットを広げていきます。

第3の要因は、過疎化と高齢化に伴う「緩衝地帯(里山)」の消滅です。かつて人間と野生生物の境界線として機能していた薪炭林や手入れされた草地が放置され、鬱蒼とした藪が市街地のすぐそばまで連続するようになりました。ヒグマにとって身を隠しながら安全に住宅街へ接近できる緑の回廊が完成してしまったのです。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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