松任谷由実『ひこうき雲』の真実|同級生の死因と誕生秘話に迫る

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『ひこうき雲』の完成度を決定づけたのは、天才少女の閃きだけではありません。彼女のデモテープを聴き、その規格外の才能に惚れ込んだプロデューサー・村井邦彦のもと、レコーディングには当時結成されたばかりの伝説的ミュージシャン集団キャラメル・ママが全面参加しました。

ベースの細野晴臣、ギターの鈴木茂、ドラムスの林立夫、そして後に彼女の夫であり生涯の音楽パートナーとなるキーボードの松任谷正隆。日本のスタジオワークの頂点を極める4人の若き職人たちが注ぎ込んだグルーヴと音響設計は、極めて革新的でした。

楽曲を特徴づけるのは、バッハの教会音楽やプロコル・ハルムの『青い影』を思わせる、ベースラインが美しく下降していくコード進行(オンコード/分数コードの多用)です。Fメジャーを基調としながらも、モーダルな響きと教会旋法的なクラシカルな響きが組み合わされ、聴き手に荘厳な大聖堂の静寂と、どこまでも広がる天空のパノラマを想起させます。

松任谷正隆による抑制の効いたピアノと、細野晴臣の包容力あふれるベースライン、そして間奏で祈りのように響くパイプオルガンの音色は、歌詞が持つ悲劇性を崇高な芸術へと昇華させています。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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