エスプレッソはそのまま飲むな?本場イタリア流の飲み方と初心者の新常識
エスプレッソはそのまま飲むな?本場イタリア流の飲み方と初心者の新常識についての最新情報を徹底解説します。
本格的なカフェやイタリアンバールでエスプレッソを注文すると、小さなグラスに入ったお冷や炭酸水(ソーダ)が同時にサーブされる場面に出くわします。「苦すぎるから飲んだ後の口直しに使ってほしいのだろう」と解釈されがちですが、これには全く逆の明確な役割が存在します。
結論から言えば、添えられた水や炭酸水は「エスプレッソを飲む直前」に口に含むのが正しいマナーです。目的は、直前までに飲食していた食事の油分や雑味を洗い流し、舌の味覚受容体(味蕾)をクリアにリセットすることにあります。特に微炭酸の炭酸水は、発泡性によって舌の表面を刺激し、知覚を鋭敏に研ぎ澄ます働きを持ちます。口内を徹底的に浄化した状態で濃厚なエスプレッソを迎え入れることで、豆本来が持つ微細な柑橘系の酸味やナッツの香ばしさを100%知覚できるよう計算されているのです。
逆に、エスプレッソを飲み干した直後に水を一気に飲んでしまうと、喉奥から鼻腔へと立ち上る素晴らしい余韻(アフターテイスト)を自ら洗い流してしまうことになります。上質なエスプレッソの香気は、飲み終えた後も数十分間にわたって心地よく残り続けます。その余韻を長く楽しむためにも、水は必ず「最初」に飲み干すのが鉄則です。
また、バールでの立ち居振る舞いにも独特のスマートさが求められます。イタリア現地のバール文化において、エスプレッソは長居して談笑するためのツールではなく、出勤前や食後にカウンター(バンコ)へ立ち寄り、数十秒でチャージして颯爽と立ち去るエナジーショットです。席に座らずカウンターでサッと注文し、水で口を潤し、砂糖を混ぜて飲み干して小銭を置いて去る。この一連の流れるような所作こそが、無駄のない大人のカフェマナーと言えます。