家に出る小さい黒い蟻はなぜ?放置の危険性と巣ごと一撃全滅させる撃退法
家に出る小さい黒い蟻はなぜ?放置の危険性と巣ごと一撃全滅させる撃退法に関する疑問や疑問点をわかりやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。
壁や床を這う黒蟻を見つけた際、多くの人が反射的に市販のエアゾール式殺虫スプレーを手に取ります。直撃すれば瞬時に動かなくなるため、一見すると劇的な効果があるように思えますが、現場の害虫駆除のプロは口を揃えて「小さい黒蟻への殺虫スプレーは逆効果である」と警告します。
アリは極めて高度な社会性昆虫であり、フェロモンと呼ばれる化学物質を介して仲間と緊密にコミュニケーションをとっています。スプレーの強力な薬剤を浴びたアリは、死の間際に激しい「危険アラームフェロモン」を周囲にまき散らします。これを受信した巣の中の仲間たちは警戒態勢に入り、餌を取りに行くルートを即座に変更します。さらに深刻なのは、身の危険を察知したコロニーが防御反応として複数のグループに分裂する「分巣(ぶんそう)」を引き起こす点です。1箇所だった発生源が3箇所、4箇所へと拡散し、かえって駆除を極めて困難な状況に追い込んでしまいます。
また、アリの巣コロリが効かない理由としてネット上で頻繁に相談が寄せられる現象にも、明確な科学的理由が存在します。市販の代表的毒餌であるアリの巣コロリは主に顆粒状(粒タイプ)で作られており、クロオオアリなどの大型アリや、固形物を運べる種を想定した設計になっているケースが少なくありません。ルリアリやヒメアリのような極小サイズのアリにとっては、粒が大きすぎて巣穴まで運べない物理的なミスマッチが起きています。また、アリには「甘い糖分を好む時期」と「産卵のためにタンパク質や脂質を求める時期」があり、時期とエサの好みが合致していない毒餌には見向きもしないのです。