渡瀬恒彦を看取った妻い保の献身愛と大原麗子との真実、遺された絆
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映画界からテレビドラマへと活動の軸足を移した渡瀬さんは、瞬く間に国民的な顔となっていく。TBSテレビの看板枠で長年愛された『十津川警部シリーズ』では、冷静沈着でありながら情に厚い捜査官を好演し、サスペンスドラマの金字塔を打ち立てた。一方、テレビ朝日系で大ヒットを記録した『警視庁捜査一課9係』では、変わり者だが部下思いの係長・加納倫太郎を演じ、刑事ドラマの新たなスタンダードを確立した。
長期にわたる過酷なロケ撮影が続くなか、い保さんは徹底した栄養管理と体調への気配りで夫を支え続けた。セリフを覚えるために書斎に籠もる渡瀬さんの集中を乱さぬよう、家の中の空気を整え、撮影用の衣装や持ち物の準備に至るまで細心の注意を払った。視聴者が画面越しに親しんだあの温かくも芯の通った眼差しは、家庭という安全基地があったからこそ維持できたものだった。