北島三郎とキタサンブラックの奇跡|350万が18億に化けた神話
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キタサンブラックの現役時代を語る上で欠かせないのが、重賞制覇後の表彰式ウイナーズサークルで繰り広げられた、前代未聞のパフォーマンスです。演歌の巨匠が、競馬場に詰めかけた数万の競馬ファンを前に、代表曲「まつり」を生熱唱する光景でした。
契機となったのは2015年の菊花賞。初G1制覇の喜びに沸く京都競馬場のパドックで、北島三郎はマイクを握り締め、サビの歌詞を変えてアカペラで歌い上げました。
「これが日本の〜祭りだよ〜! キタサン祭りだよ〜!」
地鳴りのような大歓声と手拍子が沸き起こり、格式高い競馬場が一瞬にして巨大なフェス会場へと変貌した瞬間でした。以降、2016年の天皇賞・春、ジャパンカップ、そして2017年の有馬記念のお別れセレモニーに至るまで、勝利の「まつり」熱唱は競馬界の恒例行事であり、ファンにとってかけがえのない祝祭となりました。
SNSやネット掲示板(5chやXなど)では、当時リアルタイムで目撃した競馬ファンたちの熱い書き込みが今も残っています。「競馬場にいた全員が一体になって拳を突き上げていた」「演歌なんて一度も聴いたことがなかった20代の若者が、北島サブちゃんの歌声に涙を流していた」「競馬が単なるギャンブルではなく、国民的エンターテインメントだと肌で実感した」といった声が溢れていました。芸能の第一線で大衆の心を掴み続けてきた北島三郎のカリスマ性と、ひたむきに先頭を走り続けたキタサンブラックの雄姿が、完璧なシンクロを見せた瞬間でした。