モーゼの十戒で海が割れる真相とは?科学が暴いた奇跡のメカニズム
モーゼの十戒で海が割れる真相とは?科学が暴いた奇跡のメカニズムとはどのようなものなのか? 背景や要点を整理してお届けします。
旧約聖書に記された「一晩中吹き続けた強い東風」という記述に着目し、科学のメスを入れたのが、米国大気研究センター(NCAR)およびコロラド大学ボルダー校の海洋大気科学者カール・ドロウズ(Carl Drews)氏を中心とする研究チームです。査読付き学術誌『PLOS ONE』に発表された論文は、海が割れる現象の実話真相を物理法則に基づいて完全に説明し、世界に衝撃を与えました。
研究チームが活用したのは、ハリケーンによって発生する高潮や沿岸の潮位変動を予測するために開発された高度な流体力学シミュレーションです。強風が水面を長時間にわたって吹き続けると、水が風下へと押し流され、風上の水深が劇的に低下して湖底や海底が露出する「ウィンド・セットダウン(Wind Setdown)」と呼ばれる物理現象が発生します。台風の際に湾内の一部の潮位が極端に下がる現象と同じ原理です。
ドロウズ氏らの解析データによると、秒速約28メートル(時速約100キロ、台風並みの強風)の風が特定の湾曲した浅水域に向けて連続12時間にわたって吹き抜けた場合、水深約1.8メートルから2メートルの水域が完全に押し分けられ、長さ約3.5キロメートル、幅約5キロメートルに及ぶ泥の陸橋が最大4時間にわたって出現することが計算によって導き出されました。風が突如として止んだり向きを変えたりすれば、押し止められていた数百万トンの水塊が一気に押し寄せる「戻り波」が発生し、追跡してきた戦車隊を一瞬で呑み込むという聖書の記述とも完全に合致します。