浄土真宗大谷派と本願寺派の違いとは?作法・仏壇・葬儀の全貌を徹底解説
浄土真宗大谷派と本願寺派の違いとは?作法・仏壇・葬儀の全貌を徹底解説についての最新情報を徹底解説します。
身内に不幸があった際、大谷派の教義を知らない親族が最も混乱するのが葬儀の次第と儀礼の意味付けです。他宗派の常識が通用しない場面が少なくありません。
引導も授戒もない「往生即成仏」の葬儀
曹洞宗や臨済宗、天台宗などの葬儀では、僧侶が死者に対して仏弟子となる戒律を授ける「授戒」や、迷いを断ち切ってあの世へ導く「引導」の儀式が行われます。大谷派の葬儀にはこれらが一切存在しません。
親鸞聖人の教えでは、阿弥陀如来の本願を信じる者は息を引き取ると同時に浄土へ生まれ変わり仏となる(往生即成仏)と説かれます。故人を成仏させるための修行や引導は不要であり、大谷派の葬儀は「故人を偲びつつ、遺された者たちが命の無常を見つめ、仏法に遇う場」として執り行われます。
「戒名」ではなく「法名」|釋尼を使わない大谷派の先進性
大谷派では戒律を守る誓いを立てないため、「戒名」という言葉を使いません。仏弟子としての名前は「法名(ほうみょう)」と呼びます。
法名は原則として「釋〇〇」の2文字で表されます。特筆すべきはジェンダー平等の観点です。本願寺派や他宗派の一部では女性に対して「釋尼〇〇」と表記する慣習が根強く残っていますが、真宗大谷派では教団改革の一環として「釋尼」の表記を廃止し、男女の区別なく全員に「釋〇〇」を授ける方針を明確に定めています。仏の前では性別による差別や格差は存在しないという徹底した平等の精神が反映された制度です。
葬儀・法要のお布施相場:戒名のランクによる価格差は存在しない
大谷派では、戒名のランク(院号、居士、大姉など)に応じてお布施の金額が吊り上がるという構造自体が教義に反します。院号を授与される際の本山への懇志(冥加金)の基準はあるものの、一般的な葬儀のお布施相場は以下の実情に収まります。
- 通夜・葬儀一式(読経・法名授与):15万円~30万円程度
- 初七日法要(繰り上げ法要含む):3万円~5万円
- 御車代・御膳料:各5,000円~1万円
- 年回法要(一周忌・三回忌等):3万円~5万円
お布施は「読経の対価(労働賃金)」ではなく、仏法を伝えてくれた寺院および本尊への感謝の寄進(志)であるため、寺院側から明細書付きで請求される性質のものではありません。