イスラム教の戒律と真実|豚肉禁止の理由や宗派の対立背景を徹底解明
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イスラム世界を理解する上で避けて通れないのが、二大宗派であるスンナ派とシーア派の違いです。教義の核心であるアッラーへの唯一神信仰やコーランの尊重において基本的な差異はありませんが、歴史的な正統性の捉え方が両者を大きく隔てています。
歴史の起点は、7世紀前半の預言者ムハンマドの経歴と歴史にあります。商人として信頼を集めていたムハンマドは、40歳の頃に神の啓示を受け、多神教が支配的だったアラビア半島で唯一神への絶対的帰依を説き始めました。迫害に抗してメッカからメディナへと本拠を移した「ヒジュラ(西暦622年)」を経て信徒共同体(ウンマ)を形成し、半島の統一を成し遂げます。しかし、西暦632年にムハンマドが後継者を明確に指名しないまま死去したことで、共同体の統治権をめぐる分裂が生じました。
「共同体の合意によって選ばれた代表者(カリフ)を指導者と認める」立場を取ったのが多数派のスンナ派です。一方、「ムハンマドの従兄弟であり娘婿でもあるアリーとその直系子孫(イマーム)のみが正当な指導権を持つ」と主張したのがシーア派(「アリーの党派」の意)でした。この権力継承をめぐる葛藤が、後にカルバラーの悲劇(アリーの次男フサインの殉教)を経て感情的な亀裂へと発展しました。