慣性モーメントの求め方を完全解説!積分導出から平行軸の定理まで

話題沸騰中の 慣性モーメントの求め方を完全解説!積分導出から平行軸の定理までについて、主要な情報を整理して公開しています。

基本となる4つの代表的な剛体(細い棒、一様な円板、中実円柱、一様な球)について、微小要素をどう切り出し、どのような慣性モーメント積分計算を行うのかを段階的に解説します。

1. 棒の慣性モーメント重心まわり・端まわり

質量 $M$、長さ $L$ の一様な細い棒を考えます。線密度は $\lambda = \frac{M}{L}$ です。棒の中央(重心)を原点 $O$ とし、棒に沿って $x$ 軸をとると、位置 $x$ にある長さ $dx$ の微小部分の質量は $dm = \lambda dx$ と表せます。

重心を通る垂直な軸まわりの慣性モーメント $I_G$ は、次のように積分します。

$$I_G = \int_{-L/2}^{L/2} x^2 (\lambda dx) = \lambda \left[ \frac{x^3}{3} \right]_{-L/2}^{L/2} = \frac{M}{L} \left( \frac{L^3}{24} - \left(-\frac{L^3}{24}\right) \right) = \frac{1}{12}ML^2$$

なお、棒の端を回転軸とする場合は、積分区間を $0$ から $L$ に変更するだけで導出できます。

$$I_{\text{端}} = \int_{0}^{L} x^2 (\lambda dx) = \lambda \left[ \frac{x^3}{3} \right]_{0}^{L} = \frac{1}{3}ML^2$$

2. 円板の慣性モーメント導出

質量 $M$、半径 $R$ の一様な薄い円板を考えます。面密度は $\sigma = \frac{M}{\pi R^2}$ です。円板の場合は、中心からの半径 $r$、幅 $dr$ の「薄い同心円のリング」を微小要素として切り出すのが定石です。

このリングの面積は $2\pi r dr$ であるため、微小質量は $dm = \sigma (2\pi r dr)$ と表されます。リング上のすべての点は回転軸(円板の中心を通る垂直軸)から等距離 $r$ にあるため、微小慣性モーメントは $dI = r^2 dm = 2\pi \sigma r^3 dr$ となり、全体を $0$ から $R$ まで足し合わせます。

$$I = \int_{0}^{R} 2\pi \sigma r^3 dr = 2\pi \sigma \left[ \frac{r^4}{4} \right]_{0}^{R} = 2\pi \left(\frac{M}{\pi R^2}\right) \frac{R^4}{4} = \frac{1}{2}MR^2$$

3. 円柱の慣性モーメント計算

質量 $M$、半径 $R$、高さ $H$ の中実円柱を中心軸まわりに回転させる場合、先ほど導出した厚さのない円板が高さ方向に積み重なった構造と捉えます。体積密度を $\rho = \frac{M}{\pi R^2 H}$ とし、厚さ $dz$ の円板要素の慣性モーメントを足し合わせる考え方をとると、厚み $H$ の積分によって高さの変数が打ち消され、結果は円板と全く同一の形になります。

$$I = \frac{1}{2}MR^2$$

この事実は「回転軸からの質量分布距離のみが慣性モーメントに関与し、軸に平行な方向の長さや厚みは値に影響を与えない」という剛体力学の重要な原則を示しています。

4. 球の慣性モーメント求め方

質量 $M$、半径 $R$ の中実球の中心を通る軸まわりの慣性モーメントは、球を薄い円板の輪切り(スライシング)として積分するのが最も明快です。球の中心を原点、回転軸を $z$ 軸にとります。

位置 $z$ における厚さ $dz$ のスライスの半径は $\sqrt{R^2 - z^2}$ となります。この微小円板の質量 $dm$ は、球の体積密度 $\rho = \frac{M}{\frac{4}{3}\pi R^3}$ を用いて $dm = \rho \pi (R^2 - z^2) dz$ です。円板の公式より、この微小円板の自身の軸まわりの慣性モーメント $dI$ は次のように記述されます。

$$dI = \frac{1}{2} (dm) (\text{半径})^2 = \frac{1}{2} \rho \pi (R^2 - z^2)^2 dz$$

これを球全体($-R \le z \le R$)にわたって積分します。

$$I = \frac{1}{2} \rho \pi \int_{-R}^{R} (R^4 - 2R^2 z^2 + z^4) dz = \rho \pi \left[ R^4 z - \frac{2}{3}R^2 z^3 + \frac{1}{5} z^5 \right]_{0}^{R} = \rho \pi \left( \frac{8}{15} R^5 \right)$$

ここで $\rho = \frac{3M}{4\pi R^3}$ を代入すると、有名な係数が導き出されます。

$$I = \left(\frac{3M}{4\pi R^3}\right) \pi \left( \frac{8}{15} R^5 \right) = \frac{2}{5}MR^2$$

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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