糖新生とは?仕組みと筋肉減少の真相・糖質制限の落とし穴を暴く

糖新生とは?仕組みと筋肉減少の真相・糖質制限の落とし穴を暴くとはどんな影響があるのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

糖新生とは、炭水化物(糖質)以外の物質からブドウ糖(グルコース)を新たに合成する生体内代謝経路のことです。英語では「Gluconeogenesis」と呼ばれ、1850年代にフランスの偉大な生理学者クロード・ベルナールが肝臓のグリコーゲン生成能とともにその基礎を発見したことで知られています。

通常、食事から摂取した糖質は、細胞のエネルギーを生み出す解糖系を経て利用されます。余剰分はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられますが、その貯蔵量には限界があります。成人男性で肝臓に約100g、筋肉に約300〜400g程度しか蓄えられず、絶食状態が続くと12〜18時間ほどで肝グリコーゲンはほぼ枯渇します。

脳や赤血球、腎髄質といった一部の組織は、原則としてブドウ糖を主なエネルギー源として要求し続けます。脳だけで1日に約120gものブドウ糖を消費するため、糖の供給が止まれば死に直結します。そこで発動するのが、解糖系をほぼ逆行する形でブドウ糖を人工生成する糖新生です。

この化学工場となるのが、全体の約90%を担う肝臓と、残りの約10%を担う腎臓の皮質です。糖新生では、主に以下の3つの原料からブドウ糖が作り出されます。

  • 糖原性アミノ酸:筋肉のタンパク質が分解されて血中に放出されるアラニンやグルタミン、アスパラギン酸など。
  • 乳酸(コリ回路):激しい筋肉運動や赤血球の代謝によって生じた乳酸が血液を介して肝臓へ運ばれ、ピルビン酸を経て再びブドウ糖へと再生される循環システム。
  • グリセロール:体脂肪(中性脂肪)が分解される際に、脂肪酸とともに遊離する骨格部分。

ホルモンによるスイッチングも精密です。食事をして血糖値が上がると膵臓からインスリンが分泌され糖新生にはブレーキがかかります。一方、絶食や極端な糖質遮断によって血糖値が下がると、インスリン分泌が激減し、膵臓のα細胞からグルカゴンが、副腎皮質からコルチゾールが分泌されます。これらが肝臓の酵素を刺激し、本格的なブドウ糖自給モードへと切り替わるのです。

石川 優花

石川 優花

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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