活字とは?フォントとの違いや歴史から話題の「活字離れ」の真相を解剖
活字とは?フォントとの違いや歴史から話題の「活字離れ」の真相を解剖の詳細について、最新情報を詳しくお届けします。
文字を並べて紙に刷る活字印刷の仕組みは、驚くほど緻密な手作業の積み重ねによって成り立っています。基本となる工程は、原稿の指定に従って膨大な活字棚から必要な文字を一文字ずつ拾い集める「文選(ぶんせん)」、拾った活字を行や段落のレイアウト通りに枠(チェイス)の中に組み上げる「植字(しょくじ)」、そして組み上がった版(版面)にインキを塗布して紙を圧着する「印刷」という3段階です。
この印刷技術を決定的に進化させたのが、1450年頃にドイツのヨハネス・グーテンベルクが成し遂げたグーテンベルク印刷革命です。彼は以下の3つの技術を高度に融合させました。
第一に鉛・錫(すず)・アンチモンを絶妙な比率で配合した「鉛合金による鋳造活字」、第二に油性インキの開発、第三にぶどう絞り機を応用した「木製圧搾印刷機」の実用化です。この技術革新により、それまで修道士が数か月かけて1冊を書き写していた聖書が、短期間で大量かつ均質に生産可能になり、宗教改革や科学革命の基盤を形成しました。
東洋における金属活字と木活字の歴史を振り返ると、11世紀の中国・北宋で陶器による膠泥活字が考案され、13世紀の高麗(朝鮮半島)では世界最古の金属活字印刷が行われていました。日本では古くから木版印刷が主流でしたが、16世紀末の文禄の役による朝鮮半島からの銅活字伝来や、宣教師ヴァリニャーノがもたらした「キリシタン版」の金属活字によって活版印刷の歴史が胎動します。本格的な商業化は、幕末から明治初期にかけて本木昌造が長崎で近代的な鉛合金活字の量産に成功したことで一気に開花しました。