極楽湯上尾店の閉店理由と跡地の現在|地元民が愛した名湯の記録
極楽湯上尾店の閉店理由と跡地の現在|地元民が愛した名湯の記録の総合ガイドをご紹介します。役立つ情報が満載です。
極楽湯 上尾店が営業を終了したのは2021年4月11日(日)のことでした。最終日の夜には、長年通い詰めた常連客や近隣住民が別れを惜しんで詰めかけ、フロント前や駐車場で名残を惜しむ姿が数多く見受けられました。当時、SNS上でも「毎週通っていたホームサウナがなくなるのは痛すぎる」「家族の憩いの場だったのに信じられない」といった悲痛な声が溢れました。
突如として発表されたように見えた閉店劇ですが、背景には複数の構造的要因が重なっていました。運営企業である株式会社極楽湯ホールディングスが開示した経営方針や、当時の温浴業界を取り巻く状況を総合すると、閉店に至った理由は主に次の3点に集約されます。
第一に、定期建物賃貸借契約(定期借地契約)の満了です。ロードサイド型スーパー銭湯の多くは、15〜20年スパンの事業用定期借地権を設定して出店します。上尾店もまさにその更新期を迎えており、契約延長に伴う土地オーナー側との条件交渉や再投資の判断が迫られていました。
第二に、施設および配管・温浴設備の経年劣化です。2000年代初頭のスーパー銭湯ブーム期に開業した同店は、オープンから約20年が経過し、ボイラー設備や浴槽の防水、ろ過装置の大規模改修が必要不可欠な時期に差し掛かっていました。これらを全面的にリニューアルするには数千万円から億円単位の巨額投資が求められます。
第三に、2020年以降の新型コロナウイルス感染症拡大による収益悪化です。度重なる緊急事態宣言や営業時間短縮要請、食事処の酒類提供自粛などにより、温浴施設全体の来客数は激減しました。固定費の重い温浴事業において、巨額のリニューアル投資を行って営業を継続するよりも、契約満了のタイミングで不採算リスクを回避し、グループ全体の経営資源を集中させる選択が下されたのが実情です。