卑弥呼の墓はどこにある?箸墓古墳の真相と宮内庁が阻む発掘の壁

卑弥呼の墓はどこにある?箸墓古墳の真相と宮内庁が阻む発掘の壁について詳しく解説いたします。専門家の見解をお届けします。

なぜ、これほど重要な古代遺跡の内部を掘って真実を明らかにできないのか。ネット上や歴史ファンの間では「不都合な歴史が隠されているのではないか」といった憶測が飛び交うことも少なくありません。しかし、現場の取材で見えてくるのは、法律と国家制度に根差した極めて厳格な管理体制です。

箸墓古墳は現在、宮内庁によって「倭迹迹日百襲姫命 大市墓(おおいちのはか)」として陵墓参考地に指定されています。宮内庁が発掘調査を許可しない法的な根拠と理由は、主に以下の3点に集約されます。

  • 皇室財産としての祭祀管理:皇室典範および国有財産法に基づき、現在も皇室の祖先崇拝・祭祀が継続して行われている神聖な墓所であるため。
  • 「静謐(せいひつ)の保持」の原則:死者の尊厳を守り、安らかな眠りを妨げないという原則から、学術的好奇心のみによる現状変更や掘削は一切認めない方針をとっている。
  • 文化財保護法の適用除外:一般の国指定史跡とは異なり、宮内庁管理下の陵墓は文化庁の管轄外にあり、発掘調査の義務や権限が学術機関に付与されていない。

2013年、日本考古学協会など学術16団体による初の限定的な立ち入り調査が実現し、最下段の平坦面(テラス)の観察が許可されました。しかし、滞在時間はわずか数時間、立ち入り人数も制限され、土を1センチも掘ることは許されない「目視観察」にとどまりました。現地の研究者からは「墳丘の葺石の配置や段築のリアルな構造を直接確認できた意義は大きいが、主体部に迫るには非破壊探査の高度化を待つしかない」という声が聞かれます。

近年では、航空レーザー測量(LiDAR)による樹木下の高密度3D地形データの取得や、宇宙線を利用して古墳内部の密度構造を透視するミュオグラフィ技術の応用研究が進められており、墓を傷つけることなく内部構造を解明する試みが現場の新たな希望となっています。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest