京都・二年坂「かさぎ屋」が愛され続ける理由|大正3年創業の味と竹久夢二の記憶
京都・二年坂「かさぎ屋」が愛され続ける理由|大正3年創業の味と竹久夢二の記憶に関する専門家の意見を詳しく解説いたします。
かさぎ屋の暖簾をくぐる食通たちの目当ては、創業当時から変わらぬレシピで提供される伝統の甘味です。看板メニューである「三色萩乃餅(おはぎ)」は、粒あん、こしあん、きな粉の3つの異なる味わいを一皿で堪能できる名品。使用される小豆は、大粒で風味豊かな京都・丹波産の大納言小豆に限定され、小豆本来の芳醇な香りと上品な甘みが際立ちます。
特筆すべきは、注文を受けてから一つひとつ手作業で丸められる点です。作り置きを一切しないため、炊きたてのもち米の温もりと、しっとりとした餡のなめらかさが絶妙なバランスで口の中に広がります。甘さは控えめながら小豆のコクが深く、後味のキレが良いことも特徴です。
もう一つの白眉が、関西特有の濃厚な甘味「亀山」です。関東でいう「ぜんざい」とは異なり、汁気を極限まで抑えてふっくらと炊き上げた粒あんの上に、香ばしい焼き餅が鎮座します。箸休めとして添えられる塩昆布が絶妙なアクセントとなり、甘みと塩味の往復運動が最後の一口まで飽きさせません。